どーもヨーラです。久々に小説読みました。最近ビジネス本とかそういうのばっかりだったので。
浦和のギターカーニヴァルの件で、人間椅子がドラマの主題歌を担当してるというのを聞いて、そういえば三島由紀夫って読んだことないな、と思って読みました。
三島由紀夫 命売ります
あらすじ
目覚めたのは病院だった、まだ生きていた。必要とも思えない命、これを売ろうと新聞広告に出したところ…。危険な目にあううちに、ふいに恐怖の念におそわれた。死にたくない―。三島の考える命とは。
BOOKデータベースより
書かれた時代
最初に発表されたのは1968年、週間プレイボーイにて連載されたあと、集英社から単行本が発売されました。当時はあまり評価は高くなかったようですが、2015年に急に人気が高まって、2016年と合わせてベストセラーになったとのこと。45年越しに評価が上がるというのもなんとも不思議な話です。
この本は三島由紀夫にしては異質の作品だそうで、かなり軽快に物語が進んでいくので読みやすいです。ページ数も261とお手頃。最終の展開もどんどん引き込まれていきます。
当たり前ですがこの作品の時代では携帯電話もスマホもインターネットも出てきません。命売りますの広告も、新聞広告で出しているし、依頼人との連絡も駅前の掲示板でしたりしています(電話はある)。そういう意味では余計な情報が削ぎ落とされていて、主人公の思考が全ての行動の源になっています。人と直接対することで話は進むし、人間描写もかなり色濃くされています。
やはり見どころは、主人公の命に対する価値観の変遷でしょうか。あれだけ自分の命を乱雑に捧げていたのに、いざ自分の意図しないところで身の危険が迫ると、生きることへの欲望をむき出しにする。当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、人間らしさに溢れているし、作者の命に対する価値観も垣間見えるところです。
ヨーラの命
ちょっとまだ売れないですね。命=時間だとするならば、切り売りはしてますが。
この本読んで思ったのですが、生きても死んでもどっちでも、という命には価値は出てこないですよね。生きたい、この命を燃やし続けたい、という強い気持ちがあればあるほど、その命には価値が出てくるんだと思います。だからこそそこに良い人も悪い人も集まってくるのではないでしょうか。その上でこの主人公の命の価値は。。。
ぜひ読んでみてください。おすすめです。
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