どーもヨーラです。
桐野夏生さんの「グロテスク」という本を読みました。
グロテスク 桐野夏生
あらすじ
名門女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。 「わたし」とユリコは日本人の母とスイス人の父の間に生まれた。母に似た凡庸な容姿の「わたし」に比べ、完璧な美少女の妹のユリコ。家族を嫌う「わたし」は受験しQ女子高に入り、そこで佐藤和恵たち級友と、一見平穏な日々を送っていた。ところが両親と共にスイスに行ったユリコが、母の自殺により「帰国子女」として学園に転校してくる。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。「わたし」は二人を激しく憎み、陥れようとする。
(Amazonより引用)
東電OL殺人事件
これ、フィクション小説なんですが、明らかにモデルになっている事件があるんですよね。
フィクションに昇華させるということ
僕はこの小説を読むまで、事件のことは知らなかったんですが。未だに未解決事件なんですね。子供の頃、コナンを見て探偵にかぶれていた僕としては心がうずくところです。
大企業の幹部である社員が、なぜ夜は娼婦として不特定多数と関係を持っていたのか、というセンセーショナルな話題が当時世間でかなり注目を集めていたそうです。これ、今だったらどうなっているんでしょうね。SNSってほんとにすさまじいですよね。そういった注目度の高い事件を題材に、フィクションとして肉付けをされたのがこの「グロテスク」。
名門女子高という狭くて残酷な社会での人間関係を、日記や手紙という形で回想するところから、物語は進んでいきます。フィクションということはあくまで承知したうえで読んでいるのですが、真実はこうだったんじゃないかな、と思わせられるくらい引き込まれて読んでました。事実は小説より奇なりという言葉がありますが、事実をフィクションまで昇華させるということもまた奇なりだなと。
おわりに
小説ってすごい久々に読みました。高校時代は小説ばっかり読んでましたが。なんかどんでん返しとかハラハラとかするようなジャンルではないのですが、人間模様とか、心情の移り変わりとか、そういった部分を言葉として読めるのはやっぱり良いなと思いました。またちょいちょい小説も読みたいですね。ではまた。
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