どーもヨーラです。
山鳥 重さんの著書、「わかる」とはどういうことか -認識の脳科学- を読みました。
けっこう前のKindleセールで購入したのですがずっと読めずで、最近やっと読めました。
「わかる」とはどういうことか -認識の脳科学-
「わかる」とは「分かつ」ということ
わかる、認識するということを砕けた文体でとてもわかりやすく書かれている本です。難しい用語や言い回しなどはほとんど出てこず、雑談を聞いているような感覚で読みすすめることができます。ページ数も216ページと短めなので、さくっと読めるのでいいです。
書き出したいことはいくつかあるのですが、僕のお気に入りは、「わかる」とは「分かつ」ということ、でした。
例えば音楽とか楽器にまったく詳しくない人は、エレキギターとエレキベースの違いがわからないと思うんですよね。ベースというものを認識していなくて、全部が「ギター」みたいな。でも何度もバンドの演奏を見たり聴いたりしているうちに、なんだかギターとは別の何かがあるっぽいぞ、というふうに気づいていきます。「ギター」と認識していたものが「エレキギター」と「エレキベース」に区別することができるようになります。区別する要素としては例えば音域であるとか、弦の本数であるとか、もう少しだけ「わかる」とパートとしての役割であるとか、そういったことが「わかる」ようになってきます。
で、次は「エレキベース」としてまとめて認識していたものが、さらに「ジャズベース」、「プレシジョンベース」、「スティングレイ」、他にもいろいろ種類があるらしいぞ。。。というふうに区別できるようになっていきます。そうやって「知識の網」を細かく張り巡らせていくことが、「わかる」ということなんだと。
自分が興味を持ってないもの、例えば最近のポケモンが全部同じに見えたりとか、知らないアイドルが全部同じ顔に見えたりとか、そういうことってすごく思い当たることがあると思うんですが、そういうのは「知識の網」が粗くて、「わかってない」ということになるんですね。
自分の得意分野の「知識の網」を細かく細かくしていくことで、ちょっとした差異に気づけたり、またそれを表現することができたり、そうやって人は成長していくんだろうなぁととても腹落ちできました。
おわりに
こういう曖昧な概念を考えるのって楽しいですよね。「わけわからん!」ってときにそのままにしとくよりも、「あ、今は知識の網がまだ粗いんだな」と思えると少しは冷静になれそうです。おすすめです!ではまた。
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